【選挙区間の議員定数の不均衡が著しい→違憲→選挙無効の訴えかわ棄却されることもある】

 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=53234

事件番号

 昭和49(行ツ)75

事件名

 選挙無効請求

裁判年月日

 昭和51年4月14日

法廷名

 最高裁判所大法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 民集 第30巻3号223頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和48(行ケ)2

原審裁判年月日

 昭和49年4月30日

裁判要旨

 一、憲法一四条一項、一五条一項、三項、四四条但し書は、国会両議院の議員の選挙における選挙権の内容、すなわち各選挙人の投票の価値が平等であることを要求するものであり、右各選挙につき国会が定めた具体的な選挙制度において、国会が正当に考慮することができる重要な政策的目的ないし理由に基づく結果として合理的に是認することができない投票価値の不平等が存するときは、憲法の右規定の違反となる。
二、公職選挙法一三条、同法(昭和五〇年法律第六三号による改正前のもの)別表第一及び附則七項ないし九項による選挙区及び議員定数の定めは、昭和四七年一二月一〇日の衆議院議員選挙当時、全体として憲法一四条一項、一五条一項、三項、四四条但し書に違反していたものである。
三、衆議院議員選挙が憲法に違反する公職選挙法の選挙区及び議員定数の定めに基づいて行われたことにより違法な場合であつても、それを理由として選挙を無効とする判決をすることによつて直ちに違憲状態が是正されるわけではなく、かえつて憲法の所期するところに必ずしも適合しない結果を生ずる判示のような事情などがあるときは、行政事件訴訟法三一条一項の基礎に含まれている一般的な法の基本原則に従い、選挙を無効とする旨の判決を求める請求を棄却するとともに当該選挙が違法である旨を主文で宣言すべきである。

参照法条

 憲法14条1項,憲法15条1項,憲法15条3項,憲法44条但書,公職選挙法13条,公職選挙法204条,公職選挙法205条1項,公職選挙法219条,公職選挙法(昭和50年法律第63号による改正前のもの)別表第1,公職選挙法(昭和50年法律第63号による改正前のもの)附則7項,公職選挙法(昭和50年法律第63号による改正前のもの)附則8項,公職選挙法(昭和50年法律第63号による改正前のもの)附則9項,行政事件訴訟法31条1項

全文


【最高裁  昭和58年11月7日】

最高裁が不均衡が「違憲の状態」に達していると認定→それを是正するのには「合理的期間」が経過していないことを理由に「違憲」との主張はしりぞけた。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=74567

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=56353

【最高裁  昭和60年7月17日】

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52712

【最大判平成8年9月11日】

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52557

畑  博行  阪本昌成 『憲法フォーラム』有信堂高文社,  1994,  PP33~35