【フォーラム4 九条と平和主義 1 フォーラム4での課題】

 安全保障に関する日本の持つべき理念

→〔自民党小沢調査会答申素案、朝日新聞1992年2月20日付より〕

(1) 積極的・能動的平和主義

 憲法の前文

  「今こそ、我々は、日本国憲法の平和主義の本質とは何かについて、根本的な考察を加えなければならない」

こうした憲法の精神は、消極的平和主義や一国平和主義とは全く異なる積極的、能動的な平和主義の精神である。

(2) これまでの政府解釈においては、憲法第九条では自衛のための必要最少限度の実力行使は許されているが、それ以外の実力行使は憲法の禁止する武力の行使に当たり、許されないと解されている。

当該実力行使が「国際平和の維持・回復」という目的に沿ったものになる。

したがって、そのような場合には、仮に我が国が海外で実力を行使したとしても、それは憲法九条の禁止する我が国の「国際紛争解決手段としての戦争・武力行使」 には該当せず、憲法九条にも抵触しないと考えられる。


畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』
有信堂高文社,  1994,  P53