(1) 九条の平和主義は諸外国の憲法と比べ特異である
▪️先ずは大日本帝国憲法についてのべられている。
・軍の統治権を委ねられた天皇(11条)、軍の編制大権(12条)、宣戦講和の大権(13条)も天皇に属し、軍に対するシビリアン・コントロールが 不十分であったため、悲惨な戦争を招いてしまった。
・日本国憲法は「政府の行為によって再び戦争の惨禍がおこることがないやうにすることを決意し」(前文)
・敗戦後における日本の支配層は、天皇の戦争責任を回避し天皇制の存続をはかることにあった。九条の骨子は、マッカーサー・ノート三原則にあり、歴史的アイロニーといわれる。
・国際協調主義の実現。
・包括的に戦争を放棄、戦争に連なる軍備をもたず、平和的生存権を構想、国際協調に訴える、という諸点が、日本国憲法の平和主義の特質として、みられる。