本法律書(畑 博行, 阪本昌成 2007)においては、第1に
幸福追求権の範囲について、「人格的生存に不可欠な権利」といった形で限定を付す
A説 : 人格的価値保障説
B説 : 一般的自由権説
として、論じられているが、
一般的には、
「人格利益説」となっているようである。
〔引用サイト〕
人格的利益説とはどういう説ですか?
Ⓐ人格的利益説は、幸福追求権の「内容(構成要件)を 限定し、個人の人格的生存に不可欠な利益を内容とする権利の総体と解 する」ものである。 これに対して、
Ⓑ一般的自由説は、そのような限定 を批判し、「人格的価値が認められない行為にも憲法上の保護が与えら れるべき」ことを重要な論拠とする。2022/07/29
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人格的利益説の終焉? - HUSCAP
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A説 : 人格的価値保障説においては、
・人権の無限定な拡張に歯止めを
かけようとしている。
[難点]
・何故ここに「人格」が出てくるのか。
・人格的価値に関わるか否かを誰がどのように判断するのかというところ。
B説 : 一般的自由権説においては
「批判」と「反論」がある。
● 批判 : 人権の価値を著しく拡大することにより「人権のインフレ化」を招いて人権保障全体の価値を弱める。
●反論 : ある種の自由が基本的利益と承認されて「◯◯の自由への権利」に結実すると考えられるのでは。
第2に
幸福追求権は、
自由権と国家への作為請求権を含むかという見解において、
・否定的見解
・肯定的見解
にわかれる。
否定的見解 : 作為請求権は自由権と抵するおそれがある。
肯定的見解 : 憲法13条は人権全体の総則規定であり、実際的な必要性がある。
畑 博行 阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社, 2007, PP 93-96