自己情報の収集の段階でプライバシーに関する問題として裁判で争われたもの
(a)警察官によるデモ行進の写真撮影(表5参照)
◼️1.京都府学連事件
最大判昭和44年12月24日
刑集23巻12号1625頁
〔参照条文〕
憲法13条・ 35条
●争点
1. 警察官が正当な理由もないのに個人の容貌を撮影するのは、許されるか。〔No〕
2. 現に犯罪が行われ、証拠保全の必要性及び緊急性が認められ、一般的に許容される方法であれば、警察官による写真撮影は許されるか。〔Yes〕
問題 : 現行犯の場合であって、証拠保全の必要性及び緊急性が認められる場合は、本人の意思に反して、警察官が令状なしで容貌を写真撮影できる場合がある。(◯) [1]
〔参考サイト〕
最高裁判所判例集
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=5176
・事件番号
昭和40(あ)1187
・事件名
公務執行妨害、傷害
・裁判年月日
昭和44年12月24日
[1]大沢秀介『判例ライン 憲法』成文堂, 2007, PP42-43
ーーーーーーーーーーーーーーー
(b)速度違反自動取締装置による運転者の写真撮影
◼️2. N シ ス テ ム と は
弁護士 櫻 井 光 政
Nシステムとは、自動車ナンバー自動読取装置のことです。
「N」 はナンバーの頭文字です。[1]
[1]http://www.news-pj.net/old/npj/tuushin/2009/n-system-sakurai.html
◼️第二次Nシステム訴訟について
弁護士 櫻井光政
第二次Nシステム訴訟につき東京高裁は、2009年1月29日控訴棄却の判決を下しました。 犯罪捜査等のNシステムの目的は正当であり、それに照らして同システムによる無差別撮影及びナンバーの記録、保存は手段として相当である。
警察法2条* / プライバシー権[2]
[2]http://www.news-pj.net/old/npj/tuushin/2009/n-system_20090423.html
* (警察の責務)
第二条 警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。
2 警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであつて、その責務の遂行に当つては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない。[3]
(c)外国人への指紋押捺の強制(表5参照)
〔指紋押捺に関する判例〕
東京高裁昭61.8.25
これは、最高裁判所判例集になかった。
同様の判例で
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50119
がある。
最高裁判所判例集
検索結果一覧表示画面へ戻る
事件番号
平成2(あ)848
事件名
外国人登録法違反
裁判年月日
平成7年12月15日
参照法条
憲法13条,外国人登録法(昭和57年法律75号による改正前のもの)14条1項,外国人登録法(昭和57年法律75号による改正前のもの)18条1項8号
▧コラム11について
◆ 防犯カメラ販売急増/プライバシー保護、置き去り
◆ 政治家の家族のプライバシーと報道の自由
自己情報をコントロールするためには、その前提として政府機関がもつ自己情報の開示・訂正・抹消請求権が認められなければならない。
・行政機関個人情報保護法
e-Govでの法令検索結果は0件
・独立行政法人個人情報保護法
e-Govでの法令検索結果は0件
・地方公共団体の個人情報保護条例
医療情報や教育評価情報を含む
(畑 博行 阪本昌成 1994)
自己情報開示・訂正請求権
内閣法制局 : 情報開示請求権
個人情報保護制度利用のご案内
個人情報保護法(平成17年4月1日施行)では、行政機関が保有する自己を本人とする保有個人情報について、開示請求権、訂正請求権、利用停止請求権を定めています。
🔶 個人情報保護法のポイント
🔶 開示請求権制度
個人情報の保護に関する法律
畑 博行 阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社, 2007, PP99-100