第 5 章 法律行為 2025/3/27 分
第 2 節 意思表示 1
5 錯誤
【必須項目44】
平成17年の司法書士本試験問題第4問目の出題
錯誤による意思表示に重過失がある場合
→表意者及び意思表示の相手方の無効の主張について
答え 両者とも無効の主張ができない。
[類似問題]
平成3年の司法書士本試験問題第21問目の出題
AB間の売買契約に折
→Aの錯誤が要素の錯誤で重過失
→AB共売買契約の無効を主張できるかという問題
答え 無効の主張をできない
(最判 昭和40.6.4) 民法第95条
最高裁判所判例集
事件番号 昭和39(オ)609
事件名 土地賃借権不存在確認等請求
裁判年月日 昭和40年6月4日
法廷名 最高裁判所第二小法廷
裁判種別 判決
判示事項
民法第九五条但書の解釈。
*改正民法では但書が見当たりません。
裁判要旨
民法第九五条但書により表意者みずから無効を主張しえない場合は、相手方および第三者も無効を主張しえないものと解するのが相当である。
参照法条 民法95条
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=56290
【必須項目45】
平成17 年の司法書士本試験問題第4問目の出題
手形の裏書人が金額を錯誤により裏書した場合
🔹額面1500万円の手形を額面150万円の手形と誤信して150万円の裏書きをした場合
→悪意の取得者に対し、その手形のうち150万円を超える部分に限り、錯誤を理由に手形金の償還義務の履行を拒める。
(最判 昭和54.9.6)
素材 Note KOKUYO S&T Co.,Ltd. バザール 作成日 2025年3月16日(日)・10:36 作成者 Photo Photo 浅田美鈴 |
最高裁判所判例集
事件番号 昭和53(オ)1281
事件名 約束手形金
裁判年月日 昭和54年9月6日
法廷名 最高裁判所第一小法廷
裁判種別判決
結果 破棄差戻
判示事項
手形金額に錯誤のある裏書と悪意の取得者に対する償還義務の範囲
裁判要旨
手形の裏書人が、金額一五〇〇万円の手形を金額一五〇万円の手形と誤信し同金額の手形債務を負担する意思のもとに裏書をした場合に、悪意の取得者に対して錯誤を理由に償還義務の履行を拒むことができるのは、右手形金のうち一五〇万円を超える部分についてだけであつて、その全部についてではない。
参照法条
民法95条,手形法12条2項,手形法17条,手形法77条1項
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52140
[民法]
https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
[手形法]
第十二条
② 一部ノ裏書ハ之ヲ無効トス
第十七条 為替手形ニ依リ請求ヲ受ケタル者ハ振出人其ノ他所持人ノ前者ニ対スル人的関係ニ基ク抗弁ヲ以テ所持人ニ対抗スルコトヲ得ズ但シ所持人ガ其ノ債務者ヲ害スルコトヲ知リテ手形ヲ取得シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第七十七条 左ノ事項ニ関スル為替手形ニ付テノ規定ハ約束手形ノ性質ニ反セザル限リ之ヲ約束手形ニ準用ス
一 裏書(第十一条乃至第二十条)
https://laws.e-gov.go.jp/law/307AC0000000020
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ニュートン司法書士合格対策チーム 編著『NEWTON 合格保証 TLTソフト 司法書士テキスト 1 民法総則』NEWTON, 2008, PP122-123