第 5 章 法律行為 2025/4/18 分
第 3 節 意思表示 2
2 詐欺
1番抵当権者と2番抵当権者の詐欺による関係の問題: 民法第96条第2項, 第3項 作成日 2025年4月18日(金)・11:30 作成者 法律 blogger 浅田美鈴 素材は 川西郵便局の販売カードです。 |
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善意の第三者 新たに利害関係を取得
【必須項目 50】
判例の趣旨に照らすと A 所有の土地にB の1番抵当権、C の2番抵当権が設定されていた。B が A に欺罔 されてその1番抵当権を放棄した後、その放棄を詐欺を理由として取り消した場合、B は善意の抵当権順位が上昇して反射的に利益を取得した C に対してその取消しを対抗することができる。(H 18 - 6)
答え ◯ できます。
まず、民法第96条第3項の
(詐欺又は強迫)
第九十六条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
条文はこうですが、
この問題では、2番抵当権者のCが
民法第96条第3項の善意無過失の第三者に当たるかということです。
必須項目50には判例それを論証する判例が2つ示されています。
〔判例1〕
(大判 S 17.9.30)
統合検索 検索結果
該当する裁判例がありませんでした。
でした。
本文によると、善意の第三者の定義が書かれていました。
民法第96条第3項にいう「善意の第三者」とは、
詐欺の事実を知らずに、詐欺によって行われた法律行為に基づいて得られた権利について、新たに法律上の利害関係を持つに至った者を指す。
〔判例2〕
(大判 M 33.5.7)
統合検索 に、「明治」はありませんでした。
欺罔により一番抵当権を放棄した後、その放棄したことについて、詐欺を理由として取り消した場合の2番抵当権は、順位上昇の原則により 自動的に一番抵当に昇格したものであるので、反射的に利益を取得したものであるにすぎない。従って、新たに 利害関係を取得したものとはいえない。
【必須項目50】の設問において、 1番抵当権者 B が詐欺によって、抵当権を放棄した後、その詐欺を理由に放棄を取り消した場合、順位昇格による反射的利益を有した2番抵当権者 C は 民法第96条第2項の善意無過失の 第三者に当たらず B は 善意の C に対して Aの1番抵当権の取り消しを対抗することができる。
【画像の説明】
1番抵当権者と2番抵当権者の詐欺による関係の問題: 民法第96条第2項, 第3項
In question [Required field 50], if the first mortgagee B waives his mortgage by fraud and then revokes the waiver on the grounds of that fraud, the second mortgagee C, who has a reflective interest due to his promotion in rank, is not an innocent and without negligence third party as defined by Article 96 Paragraph 2 of the Civil Code, and B can assert the cancellation of A's first mortgage against C, who acts in good faith.
作成日 2025年4月18日(金)・11:30
作成者 法律 blogger 浅田美鈴
素材は
川西郵便局の販売カードです。
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ニュートン司法書士合格対策チーム 編著『NEWTON 合格保証 TLTソフト 司法書士テキスト 1 民法総則』NEWTON, 2008, P136