📘 5-3-2-2 《対抗問題アプローチ説》民法第96条 民法第177条

第 5 章 法律行為 2025/4/23 分


第 3 節 意思表示 2


2   詐欺


【画像の説明】
[Reasons]
作成日 2025年4月23(水)
作成者 宅建士: 浅田美鈴 (法律学習中)

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擬制 取消権者 物件変動 復帰的物件変動 対抗要件 登記 取消し前 第三者 善意 無過失


◆ 詐欺取消し後、登記を回復する前に取り引きをした第三者の保護 (H13 - 5)


[事 例]

AはBに欺罔されてAが所有する土地建物をBに譲渡した。その後、AはBに欺罔されたことに気づいて売買契約を取り消した。しかし、Bは登記がまだAに所有権移転がされてなく、Bのところにあったので、土地建物をCに転売してCに所有権移転登記を行った。


《対抗問題アプローチ説》

(大判 S 17.9.30, 最判 S 32.6.7 )

詐欺による意思表示を取り消したとしても、その取消しが第三者に対して有効であるためには、登記などの対抗要件を備えている必要がある。もし取消しの前に、その財産が第三者に譲渡されていた場合には、二重譲渡の原則が適用され、先に対抗要件を備えた者が優先して権利を取得することになる。したがって、取消しの後に現れた第三者に対しても、登記(対抗要件)を備えていなければ、取消しを主張することはできない。

*同日に11の判例があり、この判例かどうかはっきり特定はできませんでしたが、最も問題と近いものを取り上げました。


最高裁判所判例集 


事件番号 昭和30(オ)548

事件名 登記抹消請求

裁判年月日

 昭和32年6月7日

法廷名 最高裁判所第二小法廷

裁判種別 判決

結果 棄却


判示事項

 公売取消処分に基く所有権の復帰と対抗力


裁判要旨

 甲所有の不動産につき、一旦国税滞納処分による公売に基き落札者乙のため所有権取得の登記がなされた後、右公売の取消処分があつた結果、甲に所有権が復帰した場合であつても、その登記がないときは、甲は、前記落札者乙から公売取消後その不動産を譲り受けた丙に対し、右所有権の復帰を対抗することを得ない。


参照法条 民法177条


民法第177条

不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成16年法律第123号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

https://ja.m.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E6%B3%95%E7%AC%AC177%E6%9D%A1

(本日、2025/04/23 22:15頃のe-Govはアクセスが集中していてアクセスできませんてした。)

https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57604


〔理由〕

6項目ありました。

一番ポイントとなるところは、

・民法第96条の規定による第三者の保護は取消し前の第三者のみとなる。

・詐欺による意思表示は取消されるまでは有効。


〔批判〕

は、2項目でした。

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ニュートン司法書士合格対策チーム 編著『NEWTON 合格保証 TLTソフト 司法書士テキスト 1 民法総則』NEWTON, 2008, P139