第 5 章 法律行為 2025/4/27 分
第 3 節 意思表示 2
2 詐欺
民法第95条(錯誤) 民法第96条(詐欺・強迫) 作成日 2025年4月27日(日)・22:22 作成者 宅建士: 浅田美鈴 |
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無効 取消す 第三者の悪意
要素の錯誤 重大な過失 法律効果の発生
表意者
【必須項目54】
Aは売買契約における当事者の一方であり意思表示が錯誤によって無効である場合と詐欺を理由として取り消すことができる場合とが競合する場合、Aは錯誤による無効と詐欺による取消しの両方を主張することができる。
答え ◯ できる
◆ 錯誤の場合は、以下の要件で無効の主張が認められる。
① 法律行為の要素に錯誤があること
② 表意者に重大な過失がないこと
(民法第95条)
◆ 詐欺の場合、他人の欺罔行為によって錯誤に陥ったものであるため 要素の錯誤である必要はなく、また 動機に錯誤があっても当然に取り消すことができる。(民法第96条第1項) 但し、第三者による詐欺の場合は、相手方の悪意を要件とする(民法第96条第2項)
◆ 詐欺と錯誤は上述のような違いがあるが いずれにしても表意者に錯誤が生じているという点では共通する。
◆ 錯誤と詐欺の両方の要件を満たすには 相手方の欺罔行為によって法律行為の要素に錯誤が生じ表意者に重大な過失がないことを条件とする。
◆ 錯誤の場合は無効であので、始めから法律効果が生じていない。それらのことから詐欺の要件を満たしてからと言って法律効果が生じていないものを取消すことはできないと考えられる。
◆ しかしながら無効も取り消しも法律効果の発生を阻む手段であるので 法律的には無効と取消しの競合は可能である。
◆ 通説: 無効も取り消しも表意者保護のための制度であるから表意者は無効を主張することも 取り消しを主張することもできるとしている。
[民法]
(錯誤)
第九十五条
(詐欺又は強迫)
第九十六条
https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
【画像の説明】
Since both invalidity and revocation are means to prevent the occurrence of legal effects, it is legally possible for invalidity and revocation to coexist.
民法第95条(錯誤)
民法第96条(詐欺・強迫)
作成日 2025年4月27日(日)・22:22
作成者 宅建士: 浅田美鈴
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ニュートン司法書士合格対策チーム 編著『NEWTON 合格保証 TLTソフト 司法書士テキスト 1 民法総則』NEWTON, 2008, P142