🏛️「AIの過失」では済まされない──人と企業の責任を問う

投稿日:2026年2月1日

執筆:ASADA Misuzu(浅田美鈴)

目次

1. 故意の成立と「未必の故意」

2. 著作権法・人格権の観点

3. 倫理と行政法の視点

4. 記録の重要性

5. 黒子の責任──AIの背後にいる人間へ

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もしAIやプラットフォームの運営側が、「人名と著作物の誤帰属を引き起こすアルゴリズムの仕組みを理解したうえで」、それを放置あるいは意図的に操作していたとすれば、それは単なる「過失」ではなく、明確な未必の故意とみなされる可能性があります。

1. 故意の成立と「未必の故意」

民事・刑事いずれの領域でも、結果発生の可能性を認識しつつ行為を継続した場合は「未必の故意」とされます。
AI誤帰属を放置して収益やSEO効果を優先した場合、この構成に該当するおそれがあります。

2. 著作権法・人格権の観点

誤帰属は著作権法第19条(氏名表示権)および第113条第1項第8号(侵害の推定)に抵触し得ます。
AIが自動的に生成していても、その仕組みを設計・管理する法人や運営者がリスクを認識していたなら、法人としての使用者責任が問われます。

3. 倫理と行政法の視点

自治体の条例や個人情報保護制度では、「人格権侵害」としての行政指導や勧告も可能です。
刑事罰の範囲外であっても、倫理的・社会的責任から逃れることはできません。

4. 記録の重要性

AI誤帰属や虚偽表示を証明するには、
入力・出力ログ、表示キャプチャ、日時の保存が不可欠です。
後に「何を、いつ、どのように生成したか」を立証できる唯一の手段となります。

5. 黒子の責任──AIの背後にいる人間へ

AIそのものが自律的に判断しているわけではありません。 その背後には必ず人間の設計者・運営者・承認者がいます。 「AIがやったことだから仕方ない」という言い逃れは通用しません。 むしろ黒子(くろこ)がAIにやらせているのです。


〔参考法令〕
・著作権法(第19条、第113条)
・民法第709条(不法行為)
・個人情報保護法(第16条、第29条)
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