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【5 天皇の権能 (2) 天国 : 国事行為以外の公的行為が行えるか】

問題   天皇が国事行為、私的行為以外に公的行為が行えるか。 ▪️政府の見解 : 国事行為以外にも、公的行為を行える。 ・国会開会式での「おことば」の朗読 ・地方巡幸 ・国民体育大会や植樹祭等への出席 ・外国訪問 ・国賓接受 ・外国元首との一連の公的行為 🌟これには、宮廷費が支出されたり、宮内庁職員が随行している。 学説 公的行為に関しては、以下の考え方が示されている [3] 。 三行為説(国事行為と私的行為のほかに公的行為も認める見解) 象徴行為説 「 象徴 としての地位に基づく公的行為」として容認する考え方 公人行為説 内閣総理大臣 などと同様に 公人 としての地位に伴う行為として容認する考え方 二行為説(国事行為と私的行為のみ認める見解) 否定説 そもそもそのような行為は認められないとする考え方 国事行為説 式典等への参加は 憲法 第7条 第10号の「儀式を行ふこと」に該当する(国事行為に含まれる)とする考え方 準国事行為説 国事行為に密接に関連し、国事行為に準じる準国事行為として容認する考え方 (Wikipedia) 結論 天皇は、国事行為以外の公的行為を行えない。 畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』 有信堂高文社,  1994,  PP49-50

【5.天皇の権能 (1) 国事行為は、本来的に形式的・儀礼的行為】

 日本国憲法第四条 「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。」 と、規定している。 憲法に定める国事に関する行為(国事行為)は、正確には、六条および七条に列挙されている。 (a) 内閣総理大臣の 任命 (第六条一項) (b) 最高裁判所長官の 任命  (第六条二項) (c) 国会の召集 (第七条二号) (d) 衆議院の解散 (第七条三号) (e) 栄転の授与 (第七条七号) (f) 国事行為の 委任 (第四条二項) 第二は、憲法の規定上も形式的行為とされている国事行為 (a) 憲法改正、法律、 政令 及び 条例の交付  ( 第七条一号) (b) 国会議員の施行の公示 (第七条四号) (c) 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状の 認証 (第七条四号) (d)   大赦 、 特赦 、減刑、刑の執行の免除及び復権の 認証 (第七条六号) (e)   批准 書及び法律に定めるその他の外交文書の 認証 (第七条八号) 第三は、形式的・儀礼的性質の事実行為としての国事行事 (a) 外国の大使及び公使の接受(第七条九号) (b) 儀式を行うこと(第七条十号) → 「国事に関する行為」のみを認め、「国政に関する権能」を否定。 畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』 有信堂高文社,  1994,  PP46-48

【4.天皇の地位 (5) 皇室経費 : 内廷費・宮廷費・皇族費】

 日本国憲法第八八条は、「すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。」と、規定している。また、第八条において「皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基づかなければならない。」 とも規定している。 「皇室」とは、天皇および皇族を総称する言葉。 第八八条において、 日本国憲法施行当時の全ての皇室財産が、国有財産になった。 さらに、第八条において 皇室の財産授受行為は国会の議決の下におかれている。 皇室経済法によると、予算に計上する皇室の経費は、(a) 内廷費、(b) 宮廷費、(c) 皇族費の三種に分けられている。   畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』 有信堂高文社,  1994,  45頁  46頁

【4 天皇の地位 (4) 女帝は可能か】

 日本国憲法第2条「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」 と、定めている。 「皇位」 とは、国家機関としての天皇の地位のこと。 「世襲」 とは、血族関係者(特定の)に限定されているある地位につく資格。 皇位の世襲までが憲法で直接規定されていて、その継承については、皇室典範で定められている。 皇位継承の資格については、皇室典範第1条に「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」とあり、女子は皇位につくことができないと規定されている。 このことについては、国会で皇室典範を改正して、女性に皇位継承の資格を与えることは可能である。  畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社, 1994,  43頁  44頁

【4 天皇の地位 (3) 天皇制の改廃は、憲法改正手続きで可能】

 日本国憲法第1条後段は、  天皇の「地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。」 と、定めている。  「国民の総意」は、憲法の規定する方法によって問われることになるが、 憲法改正手続によれば 天皇制を改廃することも可能ということを示している。   畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,  1994,  43頁

【4 天皇の地位 (2)「象徴」という文言は、法的意味をもたない】

 「象徴」とは…に始まり、象徴という言葉の持つ本来の意味と憲法上の「象徴」について論じられていた。結論は、世界でも珍しく、法的意味が存しない、であった。 第1条前段 「天皇は、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴である」 →天皇でもって、日本国と日本国民統合の想起を連想させようとの社会心理的効果を狙ったものである。      畑   博行  阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,  1994,  42頁

【4 天皇の地位 (1) 明治憲法上の天皇の地位と日本国憲法上の天皇の地位には連続性がない】

 日本国憲法第1条 「天皇は、日本国の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。」 と定められている。 明治憲法下の神権天皇制は (a) 日本版王権神授説に立ち、 (b) 天皇を神聖不可侵とした(第3条) (c) 天皇は統治権の総覧者(第4条) (d) 天皇は旧財閥をしのぐ膨大な皇室財産(私的財産) をもち、経済的な基盤としていた。  日本国憲法における象徴天皇制は、 (ア) 天皇の地位を国民の総意に基づくものとする(第1条) (イ) 昭和22年 天皇の人権宣言を行う (ウ) 天皇から国政に関する一切の権能を排除し、(第4条)  (エ) 皇室財産を国有化した(88条) この両者を比較すると連続性がなく、明治憲法の神権天皇制が否定され、象徴天皇制が創設されたことを示している。     畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』    有信堂高文社,  1994,  41頁  42頁 

【象徴天皇制の成立は妥協の産物である】

 日本のポツダム宣言受託(昭和20年8月14日) によって、明治憲法を改正することが必然となった。それにともない、天皇制について議論が行われた。 🟩  革新的・民主勢力 →天皇制廃止、民主共和制憲法の制定を唱える 🟩 保守的勢力(政府を中心とする勢力) → 天皇制の護持(国体の護持)を主張 国際的には ・ソ連やオーストリア🇦🇺などは、日本の軍国主義は天皇制にあったと主張。 ・アメリカは、民主家した天皇制をおくほうが占領政策を進める上で得策と考えた 。 天皇廃止論と天皇制護持論の対立 →象徴天皇という妥協により解消された。 畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,  1994,  40頁

【明治憲法下の立憲君主制は、神権君主制】

 明治憲法(明治22年発布) は、立憲君主制を採用していた。 権力分立制 : 第四条(統治権を総覧する天皇)のもとで、第五条(立法は議会が協賛して行い)第五五条(行政は国務大臣が輔弼して責任を負い) 第五七条(司法は裁判所が天皇の名において行う) という独特のもので、モンテスキューの権力分立観を排除していた。 臣民の権利は、法律によって制限できる不完全なもの。→明治憲法は立憲主義より神権主義君主制に重きを置いていたことを示している。   畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,  1994,  39頁  40頁

【3.解題のための基本情報 (1) 君主の概念は多様化している】

君主とは、国家の最高統治権力を意味する主権を保持する自然人をいう。 「古典的君主概念」→明治憲法の下での天皇 「新しい君主概念」→立憲主義の進展とともに国王の存在を認めながらも、その最高統治能力を大きく制限したり、憲法典上に国民主権を宣言。 後は、君主の要件が述べられている。 現天皇は君主であり、日本は君主国であるということになる。と、結論付けられている。    畑  博行  阪本昌成 『憲法フォーラム』有信堂高文社 , 1994, 38頁  39頁   

【第1ステージ 憲法の基本原則を考える 2.解題に向けて】

 (1) 君主とは何か  (2) 明治憲法下の天皇制は?  (3) 日本国憲法が天皇制を採用した理由は  (4) 「象徴」「国事行事」        「内閣の助言と承認」    畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,         1994,  38頁

【フォーラム3 象徴天皇制 : 日本の国体は、君主国か共和国か】

  〔第八七(昭和五四) 国会・衆議院内閣委員会議録より〕 八百坂正委員と真田秀夫政府委員の委員会での意見が著されている。 日本は君主国か共和国かというのは難しい。 →象徴天皇のもとにある主権在民の国というのが一番率直な言い方。      畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,   1994,  37頁

【用語解説 : 事情判決】

行政事件訴訟法  第31条に定められている。      (特別の事情による請求の棄却) 第三十一条  取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。     事件番号 : 昭和56年(行ツ) 58     事件名     :  選挙無効     裁判年月日  :  昭和58年11月7日     法廷名     :  最高裁判所大法廷     裁判種別 :  判決     結果         :  棄却     判例集等巻・号・頁  :  集民 第140号  421頁     詳細>> https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=74567     上記判例は、事情判決の例で   「違憲・違法ではあるが、選挙は無効ではない」と判決した。     畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,  1994,  34頁 

【国民が国政に対して有効な批判者となる→政府の情報公開が必要】

 憲法第ニ一条一項は表現の自由を保障している。 「 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。 」 この自由は、国民の国政批判とコントロールの重要な手段。 1960年代以降、国民の「知る権利」を根拠とした政府の情報公開を求めるようになった。 💠情報公開立法の制定状況 🗾      平成10年6月以降、全ての都道府県で情報公開条例が施行される。      国レベルでは平成11年に 情報公開法 が制定される。      平成13年4月1日から施行。      畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,   1994年,  36頁

【代議制はうまく機能しているか】

 地方自治レベルでは、 地方自治法により、直接請求の制度が設けられている。 第74条  条例の制定改廃の請求 第76条  議会の解散請求 第81条 ・第86条  議員・長,   役員の解職請求の制度が認められている。 国会議員に対しての同種の制度まみられない。 国民は常に監視する必要がある。 畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,  35頁  36頁

【選挙区間の議員定数の不均衡が著しい→違憲→選挙無効の訴えかわ棄却されることもある】

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  https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=53234 事件番号  昭和49(行ツ)75 事件名  選挙無効請求 裁判年月日  昭和51年4月14日 法廷名  最高裁判所大法廷 裁判種別  判決 結果  破棄自判 判例集等巻・号・頁  民集 第30巻3号223頁 原審裁判所名  東京高等裁判所 原審事件番号  昭和48(行ケ)2 原審裁判年月日  昭和49年4月30日 裁判要旨  一、憲法一四条一項、一五条一項、三項、四四条但し書は、国会両議院の議員の選挙における選挙権の内容、すなわち各選挙人の投票の価値が平等であることを要求するものであり、右各選挙につき国会が定めた具体的な選挙制度において、国会が正当に考慮することができる重要な政策的目的ないし理由に基づく結果として合理的に是認することができない投票価値の不平等が存するときは、憲法の右規定の違反となる。 二、公職選挙法一三条、同法(昭和五〇年法律第六三号による改正前のもの)別表第一及び附則七項ないし九項による選挙区及び議員定数の定めは、昭和四七年一二月一〇日の衆議院議員選挙当時、全体として憲法一四条一項、一五条一項、三項、四四条但し書に違反していたものである。 三、衆議院議員選挙が憲法に違反する公職選挙法の選挙区及び議員定数の定めに基づいて行われたことにより違法な場合であつても、それを理由として選挙を無効とする判決をすることによつて直ちに違憲状態が是正されるわけではなく、かえつて憲法の所期するところに必ずしも適合しない結果を生ずる判示のような事情などがあるときは、行政事件訴訟法三一条一項の基礎に含まれている一般的な法の基本原則に従い、選挙を無効とする旨の判決を求める請求を棄却するとともに当該選挙が違法である旨を主文で宣言すべきである。 参照法条  憲法14条1項,憲法15条1項,憲法15条3項,憲法44条但書,公職選挙法13条,公職選挙法204条,公職選挙法205条1項,公職選挙法219条,公職選挙法(昭和50年法律第63号による改正前のもの)別表第1,公職選挙法(昭和50年法律第63号による改正前のもの)附則7項,公職選挙法(昭和50年法律第63号による改正前のもの)附則8項,公職選挙法(昭和50年法律第63号による改正前のもの)附則9項,行政事...

【議員定数の配分→国会の裁量の問題 】

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 🟢 一票の重みに大きな不公平があれば、その選挙は違憲 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=53126    畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社, 1994,  32頁  33頁 最高裁判所判例集  検索結果一覧表示画面へ戻る 事件番号  昭和38(オ)422 事件名   裁判年月日  昭和39年2月5日 法廷名  最高裁判所大法廷 裁判種別  判決 結果  棄却 判例集等巻・号・頁  民集 第18巻2号270頁 原審裁判所名  東京高等裁 原審事件番号   原審裁判年月日  昭和38年1月30日 判示事項  公職選挙法別表第二と憲法第一四条第一1994項。 裁判要旨  公職選挙法別表第二が選挙人の人口数に比例して改訂されていないため、不均衡を生じていても、現在の程度では憲法第一四条第一項に違反しない。 参照法条  公職選挙法14条,公職選挙法別表第2,憲法14条1項 全文 全文

【議員定数分不均衡の問題 : 議員定数の配分は人口を基準として行われている】

 日本国憲法第四三条二項は 「両議員の議員の定数は、法律でこれを定める」 と、規定している。 後は、年代をおっての衆議院選挙法(改正法)/参議院議員選挙法/ 公職選挙法などの編纂が述べられている。 国政調査(昭和二一年)をもとにして、議員一人当たりにつき、 人口一五万人が算定の基礎とされた。 議員一人当たりの有権者数の比率において、約一対二の格差があった。 衆議院議員定数を定めた公職選挙法別表第一 「本表は、この法律施行の日から五年ごとに、直近に行われた国政調査の結果によって、更正するのを例とする」と、規定している。       畑  博行   阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,  1994,  31頁  32頁 

【選挙に関する憲法上の原則】

 (1) 普通選挙の原則      普通選挙←→制限選挙       憲法第一五条三項       「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する」 (2)  秘密選挙の原則       憲法第一五条四項         「すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。             選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任は問はれない」           → 自由な選挙 (3)  平等選挙の原則       一人等価一票の原則       憲法第一四条一項および四四条但書で保障されている。      公職選挙法三六条 「投票は、各選挙につき、一人一票に限る」 (4) 直接選挙の原則       直接選挙と間接選挙       直接選挙 : 地方公共団体の長、議会の議員などの選挙 (憲法第九三条二項)       国民主権原理→間接選挙は許されない。      畑  博行   阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,  1994,  PP28~30

【住民による直接選挙 地方公共団体の長 議会の議員等】

 憲法第九三ニ項 「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。」 → 国家議員を選挙する権利と本質的に同じ。         畑  博行  阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,   1994,  28頁

【国会議員の選挙】

 日本国憲法第四三条 「両議員は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」 本条は、国会(第四一条) の両議員を有権者団体が選出することを既定。 なお、両議員の定数、選挙区、投票方法、国会議員の選挙資格・被選挙資格は、憲法は法律で定めるとしている。(第四三、第四四、第四七条等) 詳細は公職選挙法で既定している。     憲法は「成年者による普通選挙」(第一五条三項)     また「人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入」によって差別してはな      らないとしている。(憲法第四四条但書)      ◼️  日本国憲法      https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=321CONSTITUTION_19470503_000000000000000&keyword=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95         畑  博行   阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,  1994,  27頁  28頁

【最高裁判所裁判官の国民審査】

 ここは、フォーラム2の5.有権者団としての国民がもつ権能の (3) 最高裁判所裁判官は国民審査に服する と、いうところで、非常にまとめにくいです。          まず、最高裁の長たる裁判官について                     → 内閣の指名に基づいて、天皇が任命 (憲法第六条二項)                      憲法 (第七九条二項) (同三項)  参照         国民審査制の性質について         学説 (a) 裁判官に対するリコール                  (b) 任命に対する確認投票                  (c) その両者の折衷         判例   裁判昭二七・二・二          https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57143          事件番号  昭和24(オ)332 事件名  最高裁判所裁判官国民審査の効力に関する異議 裁判年月日  昭和27年2月20日 法廷名  最高裁判所大法廷 裁判種別  判決 結果  棄却 判例集等巻・号・頁  民集 第6巻2号122頁 原審裁判所名  東京高等裁判所 原審事件番号   原審裁判年月日  昭和24年12月5日 判示事項  一 最高裁判所裁判官国民審査制度の趣旨 二 最高裁判所裁判官国民審査法の合憲性 三 最高裁判所裁判官国民審査の審査公報に「関与した主要な裁判」として記載すべき内容 裁判...

【地方特別法】

 ◼️ 地方特別法の制定       憲法第九五条  「一つの地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共      団体の住民投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することはで      きない。」     ✳️ 住民投票にかけられた例           平和記念都市建設法 (広島市)           https://www.city.hiroshima.lg.jp/soshiki/129/6549.html           長崎国際文化都市建設法 (長崎市)           https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC1000000220          旧軍港都市転換法           https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0100000220         畑   博行   阪本昌成『憲法フォーラム』有信高文社,  1994,  25頁  26頁

【憲法改正→国民投票での過半数の賛成が必要】

 ◼️憲法改正        憲法第九六条一項で        「この憲法の改正は、各議員の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議                       し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又               は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」                  定めた。             日本国憲法は硬性憲法             憲法の改正に限界があるのか?             学説             (a)  限界がある。(通説)  日本国憲法の基本原則を否定するような                    改正は認められないとされる。             (b)  限界がない。                            畑   博行   阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,  1994,  24頁  25頁

【直接民主制 間接民主制】

 ✳️ 我が国は間接民主制 (代議制) を採用している。        代議制を原則としてるが、         →日本国憲法において直接民主制を規定しているものもある。                  憲法改正 (第九六条)             地方特別法の制定 (第九五条)             🧱  国民投票などの直接民主制は許されないが、                     重要な問題についての国政への参考とするための                     国民投票は違憲とはいえない。 ◼️ 日本国憲法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=321CONSTITUTION_19470503_000000000000000&keyword=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95     畑   博行   阪本昌成 『憲法フォーラム』有信堂高文社,  1994,  24頁

【憲法 : 代議制を採用 国民 : 有権者団体→公務員の任免権が付与】

 ◼️関係条文       憲法前文一節→代議制をうたう。       憲法第一五条一項→公務員の任免権→国民固有の権利                    実際には以下の三つがあるのみ                    憲法第四三条→国会議員(両議員) の選挙                    憲法第九三条二項→地方公共団体の長、議会の議員の選挙                    憲法第七九条二項→国民審査                    *その他大多数の公務員の任免は、国民ではない機関によって行われている。                        →このことは、憲法第一五条一項の違反とはならない。 ◼️ 日本国憲法条文        https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=321CONSTITUTION_19470503_000000000000000&keyword=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95           畑   博行  阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,  1994,  23頁     

【「国民主権」の「国民」とは?】

 A説とB説がある。 日本国憲法→「国民」有権者団 ◼️ 用語解説ーーー有権者団体とは       「意思決定機関」法人        「執行機関」内閣        「立法機関」国会        「最高意思決定機関」      https://www.sangiin.go.jp/japanese/kids/html/shikumi/index.html#:~:text=%E5%9B%BD%E4%BC%9A%E3%81%AF%E3%80%81%E5%85%A8%E5%9B%BD%E6%B0%91%E3%82%92,%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%8D%E3%81%A8%E5%AE%9A%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82               畑  博行   阪本昌成『憲法フォーラム』 有信堂高文社, 1994,  22頁               

【国民主権→憲法制定権力】

   国民主権 (a) 憲法制定権力 (b) 国家の独立性 (c) 領土高権,   領土支配権 国民主権 https://gyosyo.info/%E5%9B%BD%E6%B0%91%E4%B8%BB%E6%A8%A9/ 憲法制定権力   :  東京大学出版会 https://www.utp.or.jp/book/b299928.html 領域権限論   :   東京大学出版会 https://www.utp.or.jp/book/b306357.html        畑  博行   阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,  1994, 21頁      

【明治憲法下の主権論争→神権的天皇制の否定】

 ◼️圧殺された憲法学者      美濃部達吉→天皇機関説事件       国家法人説        美濃部 達吉 (みのべ たつきち、 1873年 〈 明治 6年〉 5月7日  -  1948年 〈 昭和 23年〉 5月23日 )は、日本の 法学者 、 憲法学者 、 政治家 。     東京帝国大学 名誉教授。 天皇機関説 を主張し、 大正デ     モクラシー における代表的理論家として知られる。     昭和時代 には 天皇機関説事件 により、 貴族院 議員を辞職した。     戦後 の 1948年 には 勲一等旭日大綬章 を受章。     一木喜徳郎 門下。弟子に 清宮四郎 、 宮沢俊義 、 柳瀬良幹 、      田中二郎 、 鵜飼信成 、 田上穣治 など。(Wikipedia)     国家法人説    佐々木 惣一 (ささき そういち、 1878年 〈 明治 11年〉 3月28日  -  1965年 〈 昭和 40年〉 8月4日 [1] )は、 日本 の 法学者 。    専門は 憲法学 ・ 行政法 。学位は 法学博士 。 貴族院 勅選議員。     京都大学 名誉教授 。 立命館大学 学長。 京都市 名誉市民 [2] [3] 。     文化功労者 、 文化勲章 受章者。贈 正三位 、贈 勲一等瑞宝章 (没時追贈)。    (Wikipedia)    畑   博行  阪本昌成『憲法フォーラム』有信堂高文社,  1994,  19頁  20頁